彼と彼女のアジアート– category –
現代物。小型犬のような青年と、飼い主のような女性の賑やかな日常もの
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彼と彼女のアジアート
長く楽しく、ちょっと太めに
スマートフォンを触っていた巣鴨は、できたよ、と言いながら仰向けだった身体を起こす。上半身を起こした彼の目の前にはカップうどんの容器が鎮座していた。 向かいに座る晶が、そうか、と言いながら大手メーカーのカップうどんの蓋を剥がす。同じよう... -
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クラスの王子様
本条晶はクラスの王子様だった。 過去形なのは、彼女はもう卒業しているからだ。彼女、という事から分かるように、女性だ。それでも、彼女はクラスの王子様だった。もしかしたら、学年の、かもしれない。 短く切り揃えられた黒髪。ショートボブのよう... -
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うさぎりんごとすりおろしりんご煮
巣鴨雄大はおかゆは苦手、というのを本条晶が知ったのは、同棲を初めて少ししたくらいだった。 晶は風邪も引かなければ、ワクチンの副反応も引くことがない元気な体質なのだが、巣鴨はそうてはないらしい。いつも元気な子犬のような恋人が、満員電車で... -
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2022SS名刺メーカーまとめ
順不同。多分上に行くほど新しいです。 -
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融解温度
巣鴨は手のひらよりやや大きい袋に入った、大きなアメリカ産のマシュマロの袋をハサミで開けていた。彼が立つシンクの前にはココアの袋が置かれており、電子レンジが低い唸り声を小さく上げて仕事をしている。 ちん、と軽い音を立てた電子レンジは、自... -
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イン・ザ・バスルーム
シャワーでキメの細かい泡を生み出したことに満足した巣鴨は、うきうきと湯船に体を沈める。ボディーソープでしっかりと体に泡をまとわりつかせ、きれいにした体に泡が再度まとわりつく。ふわふわでもこもことした泡をかきわけて湯船に体を沈めると、下... -
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シャボンとバスルーム
巣鴨雄大はふ、と目についたパッケージを手に取った。 ドラッグストアに立ち寄った理由は、日焼け止めが無くなりそうだったから買いに来たついでに、予備の歯ブラシとボディソープの詰め替えを買いに来たのだ。だから、目についたそのパッケージは買い... -
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ミッドナイト・スターダイバー
ピンクブラウンの髪をしっかりセットしていた巣鴨は、崩れちゃうかな、と言いながらフルフェイスヘルメットをかぶる。かぶらないなら連れて行かないが、と話す晶は、すでにヘルメットを着用しており、モスグリーンの長袖のジャケットに袖を通していた。... -
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僕と君と時々噛み合わない話
仕事帰り、巣鴨は駅ビルの本屋にいた。仕事で必要になりそうな本を見に来た……と言うわけではなく、単純にハマっている漫画の最新刊を買いに来たのだ。 早々に目当ての漫画を買った彼は、どうせ駅ビルに来たのだから、とウィンドウショッピングに勤しむ... -
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子犬は彼女のオモチャとなりうるか※R-18
「ストップ! ストップ! 晶ちゃん、待って! 待とう!」「試したいんだろう?」「いやいやいや、いやいやいや! 試したいとは思ったし、だから買ったんだけどね!? 今すぐとはね、言ってないんだよ!?」「そうか。だが、気になるのならすぐに試し... -
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二人でやったら、面白いよ
「お好み焼き作れる?」「作れるが……どうした」「いや、食べたいなーって」「そうか。なら、夕飯はお好み焼きにするか」「やった!」 粉物って時々無性に食べたくなるから不思議だよねえ。そう言いながら巣鴨は横になったまま腕を伸ばす。天井に向かって... -
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シナモンとローアンバー。時々ゴールドを添えて
巣鴨雄大はスマートフォンの画面とにらめっこをしていた。ブラウザーの検索履歴も閲覧履歴もバレンタインで埋まるほどには、ここ最近の彼はそれを検索していた。というのも、目と鼻の先に迫っているチョコレートの祭典のためだった。 女性だてらに男よ...
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