音声レポート– category –
優と雅貴と宇宙のちょっとした秘密の話
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音声レポート
音声レポート5
美しい肉体を廃棄する――肉体に死を与えることをけろりと言ってのける千種川に、もったいないけど生き残れなかったなら仕方ないよね、と優は返す。まるで他人事だ。 時刻は十八時を半分ほど回ったところで、二人はすでに夕飯を食べ終えていた。さすが高... -
音声レポート
音声レポート4
「なんで来たのかは分かったし、どこから来たのかも分かったけどさ。気になってることがあるんだよね」「なんでしょうか。開示できる範囲であればお答えします」「あんたの身体と、その身体の元持ち主については話せる?」「ええ。話すことは可能です。千... -
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音声レポート3
「察していると思いますが、ぼくたちは人ではありません。いえ、正しくいうならば──地球人ではない、と言うべきでしょう」 機械的な声色を少し緩めて、美しい楽器のような声で語りかける千種川。怜悧な硬質なガラスのような声色が常の彼が、柔らかな――人... -
音声レポート
音声レポート2
イスに腰を下ろして話しかけてくる千種川。クイーンサイズのベッドにあぐらをかいて座った優は、あー……と声を出すと、がしがしと頭をかく。考えがまとまらないと言わんばかりの様子の彼女を、ただ千種川はじっと見つめている。まとまるまで待つつもりの... -
音声レポート
音声レポート1
ちらちら、と見られていることには慣れている。どんなに訓練された人間であっても、目の前の男には視線を向けざるを得ないのだ。これはそういう外見をしているのだから。 紫がかった黒髪は、染めることなど一度もしたことがないような美しさだ。重たげ...
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