甘い炭酸ソーダのふたり– category –
褐色美男子と絶対美少女の賑やかな現代日常。創作男女。
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甘い炭酸ソーダのふたり
ショコラ色に染めて
奈々美は百円ショップで迷っていた。というのも、バレンタインに恋人に手作りのチョコレートを贈るかどうか、それが一向に決まらないからだった。 というのも、奈々美の恋人である陸上鷹山(くがうえ・ようざん)は料理が奈々美よりも得意だからだ。具... -
甘い炭酸ソーダのふたり
花より水よりごはんより
title by OTOGIUNION(https://otogi.moo.jp/) 鷹山くんってチョコレート好き? 奈々美は陸上の車に乗りながら尋ねる。そんなことを聞かれたほうは寝耳に水で、好きでも嫌いでもないが、としか答えようがなかったため、陸上は視線をフロントガラスの向こ... -
甘い炭酸ソーダのふたり
目を惹いてやまない話
単発バイトで入ったのは、商店街の店先でやる福引だった。一定金額以上の買い物をするともらえる券を回収して、がらがらのあれ(ガラポン抽選機とかいうらしい。まんまなネーミングだ)をまわしてくださーいっていうだけだ。いや、他にも景品を渡したり... -
甘い炭酸ソーダのふたり
甘やかに溶けるように、
陸上は深いため息と共に車のエンジンを切る。静かになった車内で、いつもよりも緩慢な動作でシートベルトを外して、ネクタイのノットを緩める。早く家に帰り、風呂に入ってダラダラしたい、という気持ちもあるのだが、いかんせん精神的な疲労がピークに... -
甘い炭酸ソーダのふたり
カフェがよく似合う人
わたしの趣味は喫茶店やカフェを巡ることだ。SNSで噂のところだったり、街角に置かれているフリーペーパーを頼りに新規開拓をせっせと行うのが趣味だ。新しく気に入った店を見つけては、ちょうどいい大きさのノートに住所をメモしたり、ショップカー... -
甘い炭酸ソーダのふたり
パンケーキに愛を添えて
調月奈々美(つかつき・ななみ)は手に下げたライトグリーンのエコバッグにいっぱい――そりゃあもう細い彼女の腕には限界いっぱいなまでに食材を詰め込んでアパートを訪れた。 駅から徒歩十五分、バストイレ別の一DK。社会人の一人暮らしとしては悪く... -
甘い炭酸ソーダのふたり
世界は奇跡で満ちている
title by icca(https://iccaxx.web.fc2.com/) 陸上鷹山(くがうえ・ようざん)は名家と呼ばれる家の出だ。最も、家業を継ぐのは兄であり、その補佐をするのは姉であり、次男である彼は家に泥を塗りさえしなければ好きにしていい立場にいた。 期待はさ... -
甘い炭酸ソーダのふたり
ソーダ水にシロップを混ぜるように
陸上鷹山(くがうえ・ようざん)はほとんど巻き込まれたような形で金曜日の飲み会の場にいた。 円卓を囲むように男女が座る、いわゆる合コンだ。職場で同時期に入っただけで取り分け仲がいいわけではない(陸上談。普通に会話はするがメッセージのやり...
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