サンハ=ユアニルの麓にて– category –
筋骨たくましい男性たちのどたばた中世風ファンタジー
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サンハ=ユアニルの麓にて
肉と魚と土産物と
飯食いに行くぞ。 寝起きの圭太に声をかけてきたのは、ヴォルフガングだった。 街の外は守られないからこそ土地代が安い、と大柄な――筋骨隆々とした金髪の大男・ヴォルフガングと、黒髪の大男・マクシミリアンたちが住む家から少し離れた、サンハ=ユ... -
サンハ=ユアニルの麓にて
ジェリービーンズとティータイム
誰かが口火を切ると、次から次へと波及していく。風に吹かれて揺れる木の葉のざわめきのように、新たな年を迎えた言葉が流れてくる。 誰かから広がっていく新年を祝う言葉が一通り広まり、それはヴォルフガングとマクシミリアンにも広がる。二人も道行... -
サンハ=ユアニルの麓にて
2022SS名刺メーカーまとめ
順不同。多分上に行くほど新しいです。 -
サンハ=ユアニルの麓にて
煌めく黄金色
黄金鶏のハムを挟んだ黄金鶏の食パンを使ったサンドイッチを手に、マクシミリアンはサンハ=ユアニルの街を歩いていた。 街はお祭り一色で、大通りは多くの露店で賑わっているし、飲食店の店先にあるテラス席はアルコールに酔った人々が歌ったりしてい... -
サンハ=ユアニルの麓にて
奇跡はポーションの色をしている
「お、おはようございまーす……」「おう、来たな。マクシミリアンなら、リビングにいるぜ」「そうなんですね。わかりました」「俺よりも切り方がうまいとよ」 誇っていいぞ。そう、にっ、と口の端を吊り上げて笑うヴォルフガングは、罠見てくる、と彼らの... -
サンハ=ユアニルの麓にて
ハロー、ネバーランド
先日から、マクシミリアン=イルデブランドとヴォルフガング=ブラッドフォードの二人の家の近くに、風変わりな人物達が暮らし始めた。 その人物達は、いつぞや異世界から訪れたカナとユウタのような、国境沿いに存在するサンハ=ユアニルの街どころか... -
サンハ=ユアニルの麓にて
ファンタジスト・ロマネスク
若い竜が新たに本を書き始めた。 そう自宅までわざわざ足を運んでくれた壮年の竜――竜の壮年も若輩も老年も、ヨナグ族からすれば分からないのだが――から聞かされたマクシミリアンは、そうか、と頷いた。たしかに他の竜語(ドルンノード)の翻訳者よりは... -
サンハ=ユアニルの麓にて
今年の夏はこれで終わり
サンク・キタテウェルトの夏は短く涼しい。もとより、三方を山で囲われ、残りの一方だって海に面している国なのだ。ましてや、国境沿いの山にあるサンハ=ユアニルの街になれば、夏といえば短い季節だ。その代わり、冬はひどく厳しく長いのだが。 ……閑... -
サンハ=ユアニルの麓にて
カジュアル・トーキングタイム
メイナード=レンブラントの店は雑多なものがなんでもある。一般的な消耗品はもちろん、ちょっとした自室を華やかに見せるためのインテリア家具、魔法を操る制度を一時的に高める薬や、眠気覚ましなどもある。もちろん、薬品に関しては相応の値段がする... -
サンハ=ユアニルの麓にて
ファースト・イーツ
新年を迎えたサンハ=ユアニルの山は雪で白く化粧をしていた。麓の街も白く染まっている。人々は思い思いに家の前や、屋根に積もり始めた雪を融雪溝に落としていく。 それは街から離れたところに住むマクシミリアンとヴォルフガングも同じだった。石と... -
サンハ=ユアニルの麓にて
スカーレットの色をした朝
マクシミリアン=イルデブランドは鍋を火にかけていた。 特に友人であるドルノ族たちの特有の言語、竜語(ドルンノード)で綴られた書籍の翻訳依頼があるわけでもなければ、製本の依頼があるわけでもない。至って平々凡々平和な日々だ。 季節は冬に入... -
サンハ=ユアニルの麓にて
サイハテトラベル7
title by Cock Ro:bin(http://almekid.web.fc2.com/) 結果から言えば、異世界へ繋がっている疑惑のある廃教会のクリスタルは、ユウタとカナを元の世界に戻していった。 もう来られないかもだけど、と言いながら、また来られたら遊びに行きます、と二...
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