novel
-
サンハ=ユアニルの麓にて
今年の夏はこれで終わり
サンク・キタテウェルトの夏は短く涼しい。もとより、三方を山で囲われ、残りの一方だって海に面している国なのだ。ましてや、国境沿いの山にあるサンハ=ユアニルの街になれば、夏といえば短い季節だ。その代わり、冬はひどく厳しく長いのだが。 ……閑... -
pokemon
オレとあいつと休みの過ごし方 ※女体化
こちらの続き ポケモンリーグパルデア支部はいつだって仕事量が多い。営業だろうがどこの部署だろうが、いつも誰かしら白目を剥いていたりする。 まあそれは言い過ぎとしても、繁忙期になると缶詰になることも珍しくない。ことのほかジムリーダーも兼任... -
彼と彼女のアジアート
シャボンとバスルーム
巣鴨雄大はふ、と目についたパッケージを手に取った。 ドラッグストアに立ち寄った理由は、日焼け止めが無くなりそうだったから買いに来たついでに、予備の歯ブラシとボディソープの詰め替えを買いに来たのだ。だから、目についたそのパッケージは買い... -
pokemon
きみとぼくとげんきのひみつ ※性転換
アオキは隣に座って本を読んでいるペパーを見る。長い手脚は脂肪と筋肉が程よく、それでいて素晴らしいバランス感覚で乗っていて、アオキ好みの柔らかさを持っている。アオキの太ももに触れる太ももと尻は、年頃にしては育っている。布越しに触れ合う今... -
実は既婚者だった話
恋が×ぬ音がした
アオキさんが外回りから戻ってくる。空気に溶けるような小さな声に、かろうじて反応できた何人かが、もっと大きい声を出せよ、とツッコミながら迎えている。それにたいして、はあ、らしい返事をしながらアオキさんは自分のデスクに向かう。 支給されて... -
甘い炭酸ソーダのふたり
パンケーキに愛を添えて
調月奈々美(つかつき・ななみ)は手に下げたライトグリーンのエコバッグにいっぱい――そりゃあもう細い彼女の腕には限界いっぱいなまでに食材を詰め込んでアパートを訪れた。 駅から徒歩十五分、バストイレ別の一DK。社会人の一人暮らしとしては悪く... -
ハリエンジュの赤い星
アイス・イン・ザ・スカイブルー
汗が吹き出して止まらない。猛暑日だとか酷暑日だとか、とにかくひどい夏の暑さに優は左目を伏せて汗をタオルハンカチで拭う。目に染みる汗は、いくら拭いても止まりそうにない。 隣に立つ男・千種川雅貴もまた、顔の横を流れる汗をガーゼ生地のハンカ... -
私とわたしの日々是好日
コーヒークリーム・ソーダフロート
「こうも暑いと何も食べる気にならないわね」「まだ八月入ったばかりなんだけどね……こういう時こそ、アイスを食べて体を中から冷やすのはどうかな」「あら、素敵だわ……ああ、でも甘いものを食べる気にならないわね……」「ふふ、それならこれはどうかな」 ... -
甘い炭酸ソーダのふたり
世界は奇跡で満ちている
title by icca(https://iccaxx.web.fc2.com/) 陸上鷹山(くがうえ・ようざん)は名家と呼ばれる家の出だ。最も、家業を継ぐのは兄であり、その補佐をするのは姉であり、次男である彼は家に泥を塗りさえしなければ好きにしていい立場にいた。 期待はさ... -
甘い炭酸ソーダのふたり
ソーダ水にシロップを混ぜるように
陸上鷹山(くがうえ・ようざん)はほとんど巻き込まれたような形で金曜日の飲み会の場にいた。 円卓を囲むように男女が座る、いわゆる合コンだ。職場で同時期に入っただけで取り分け仲がいいわけではない(陸上談。普通に会話はするがメッセージのやり... -
私とわたしの日々是好日
おいしいものはいくつでも
自宅近くにあるバス停横にあるスーパーよりも、少し大きなショッピングモールにあるスーパー。自宅近くのスーパーと同じ系列なのもあり、映画だったり、買い物だったり――なにかしら見にきたついでに立ち寄ることが多い食料品売り場だ。 いつものスーパ... -
実は既婚者だった話
明日を暮らすために必要なもの
手帳を開いてペンを握ったアオキは、ペパーに家を建てるなら何が必要か尋ねる。突然尋ねられたペパーは、え、と大きな目をさらに大きくして、きょとんとしている。 夕飯を食べ終わり、皿を二人で並んで洗い、食器棚に片付け、団欒の時間を過ごすタイミ...