novel
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pokemon
あなたと私と灯の麓で
軽快に跳ねる包丁がまな板を叩く音が、キッチンからリビングに小さく聞こえてくる。一緒に聞こえてくる鼻歌は最近流行りの曲のもので、タクシーで流れているラジオでよく聞こえてくる。とんとんとん、ふんふんふん。軽快なハーモニーを聴きながら、アオ... -
クロスオーバー
あるいは鉄線の向こう側
ひょい、と軽いノリで飛んだサロセイル・エカ=メルの足が次の足場に到着する前に、黒い線がその足を掴もうとする。変幻自在に歪む黒がゆったりとした紺色のワイドパンツを掴む前に、サロセイルは服ごと足を切り離してしまう。流石にそれは思い至らなか... -
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リトル・ハピネスのついばむ音※性転換ネタ
ごろ、と三人掛けのソファーに横になったまま、ペパーは鈍く痛む腹を押さえる。月に一度きたりこなかったりするそれは、どうにも慣れない。胎からどろりと抜ける血の塊や液状のそれだったりもそうだが、やってくるたびに動くのが億劫なほどの気怠さと鈍... -
グリッター色の魔法
グリッター色の魔法(下)
「それで、この間言ってた結節点の結晶、ってなんなわけよ」「我々の世界でエネルギーとして利用されている元素ですね。結晶化すると膨大なエネルギーを含んでいるので、扱いが難しいのですが、人為的に結晶化させ、エネルギーとしています」「へえ……そん... -
グリッター色の魔法
グリッター色の魔法(上)
二人は薄暗い街を歩いていた。無音、ガソリン車の匂いすらしない街を街灯が照らしている。アスファルトを照らす中、優は思い出したように口を開く。 「……あのさ」「なんでしょうか」「これ、さっきから同じ場所歩いてない?」「そうですね。五度は同じ道... -
ハリエンジュの赤い星
欲と男と女の話
斜向かいに座る男は美男子だ。美男子、という言葉ですら足りないほどに顔がいい。そして、イケメンという言葉ではチープすぎて物足りない。あらゆるイケメンアイドルや俳優を寄せ集めて、AIに学習させて描いたらこんな顔が出力されるんだと思わせる顔... -
サンハ=ユアニルの麓にて
ファースト・イーツ
新年を迎えたサンハ=ユアニルの山は雪で白く化粧をしていた。麓の街も白く染まっている。人々は思い思いに家の前や、屋根に積もり始めた雪を融雪溝に落としていく。 それは街から離れたところに住むマクシミリアンとヴォルフガングも同じだった。石と... -
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麗らかで穏やかな朝の話
腹の上に重さがあるのはいつものことだった。自分を抱えるように回された腕は、向かいで眠る男のものだ。そして、そんな自分たちの上で眠り転げている、いつか捕まえたホシガリスが進化したヨクバリスと、向かいで眠っている男のネッコアラの重さだ。す... -
ハリエンジュの赤い星
元日に一年の計はありて
駅前の時計台には多くの人がいたが、栫井優の目当ての人物の周りだけ綺麗に開いていたため、特段苦労することなく探し出すことができた。これも単に相手の顔が良すぎるからだろう。人間、美しすぎるものには気が引けるものだ。 ライトベージュのトレン... -
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かわいい僕とかわいい手持ちとかわいくないパイセンと愉快な四天王たちとトップチャンピオンの話
「チリちゃん見て! オモダカさんで伝説の昇天ペガサスMIX盛りできたわ! やばくね?」「なんや自分、随分おもろいことしとるなあ! トップの髪、めちゃくちゃテッペンどついとるやん!」「やべーわ。てかオモダカさん、髪にコシがありすぎてめちゃ... -
彼と彼女のアジアート
分け合う熱量
うつらうつら、としていた巣鴨は、テレビのスピーカーから聞こえる音で、はっ、と目が覚める。 晶と二人で折半して購入したこたつに埋もれていた巣鴨は、起きあがろうとして、テーブルに腹を打つ。こたつ布団に衝撃は吸収されて対したダメージにはなら... -
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かわいい僕とかわいい手持ちとかわいくないパイセンの話
「ラウドボーンはゴツゴツしてるところが最高にキュートじゃん? だから僕に似合うって言うか」「デカヌチャンはオーソドックスキュート。もう見た目から完璧。でかいハンマーぶん回すところがさあ、特にキュートの塊って感じ」「ミミッキュは語る言葉も...